フィンランドカフェ芬闘記

~小さなフィンランドカフェをひらくまで~

18 2017

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ここしばらく、Karjalanpiirakka カリヤランピーラッカ の皮を伸ばすことにムキになって
ます。いや、いちいち皮を一枚ずつ伸ばす、なんていう手間のかかることはフィン
ランドの職場ではしないもんなので、フィンランドでも学べなかった技のひとつ。

ちなみに職場ではパイローラーで生地を丸ごと薄く伸ばし、型抜き。
楽ちんで早い。でも、これは技ではない。

フィンランドにピーラッカ麺棒というのがあって、シュウマイ麺棒のように両端が
細くなっている… わら納豆みたいな形をしている麺棒なんですが、これで皮を伸ば
すと皮がちょこちょこと回転してくれるんですがね。やみくもに適当に麺棒を動か
していても、ちょろっとも回転してくれません。自分で回すという屈辱。

麺棒 「回らないのはオマエのせいだから。」
私  「すいません、努力します。」

そういう麺棒です。

昔、カレリア出身の人たちが集う年一回のお祭りを見に行ったときに、見慣れない
ピーラッカ麺棒で皮をくるくる回しているおばさまを発見し、なんだあの神様は!
と見惚れたことがあります。

それを見て以来、『ピーラッカの皮伸ばし』 をナメてはいかんと思い、あんな技を
自分も身につけてやろう!自分もあんなふうにくるくる回したい!と。

これまではフィンランドで買ってきたピーラッカ麺棒を使っていたんですが、使っ
ているうちに、ど~も違うような気がしてきた。なんというか、麺棒に無駄がある
感じがする… てな時に思い出したのが、例の神様が使っていた麺棒。

なんであんな形をしているのか?と理由がわからなかったんですが、とりあえずは
何でも真似することが肝心。自分で作ってみたら…

おぉ~回る回る!!
おぉ~使いやすい!!


やはり神様だけあって道具にもこだわる。神様はやっぱり違いますな。
神様麺棒は回転が大きくて、無駄がない。バランスを取りやすい。

もともとピーラッカ麺棒は、手の位置、力の入れ加減、動かし方がズレてしまうと
均一に薄く伸びず、ガタガタになってしまう不安定な麺棒なので、コツをつかんだ
とは言え、まだ手こずってます。

これ、物理学が理解できる脳みそなら、麺棒と対話できるんでしょうかね?

まぁ無いものねだりなので、頭使わず、身体で覚えます。


Kiitos lukemisesta ja tervetuloa uudelleen.




06 2017

-mpi 比較


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今ではフィンランドも立派に北欧ブームに乗ってちやほやされるような国に
昇格し、北欧がオシャレなものとして扱われるようになってきましたけども、
長年フィンランドストーカーみたいなことをやってきた間にしみついた自信
のなさというか、いじける自分が居てですね…。

なんというか、フィンランド語を勉強してても、フィンランドに興味がある
と言っても、フィンランドの食べ物が好きだと言っても相手にされないこと
のほうが多くて、へぇ~!と反応はあってもどこかに笑いが混じるとか…。

その笑いの中にうっすらと“価値の無さ”が込められているような被害妄想 →
いじける → 被害妄想 → いじける のループ。

言語で言えば、英・仏・独・伊・西・中・露語などに対して芬語。
料理やお菓子で言えば、フランス菓子に対してフィンランド菓子。

どっちがより需要があって、お金が動いて、役に立つと思う?と問われると、
「ごもっともで 笑。」と否定はしませんが、実は腹の中で何だコノヤローと
思ってたりします、はい。

確かにね、勝てませんよ。お金になりません。どこで役に立てるのかすらも
わかりません。なので、勝とうとも思いません。儲けようとも思いません。
役に立つかどうかでフィンランドという国を見たことがないので、その基準
を持ってこられるとお手上げです。どうでもいい、としか答えられません。

ま、そう言いつつフィンランドの料理やお菓子を作りながら、

地味。
お洒落じゃない。
華がない。
古い。
色が悪い。
なにかと黒い。

と悪口のオンパレード。
フランス菓子の技術やセンスや見た目と比べてしまう自分が厄介なんですよ。
日本にいると特に。でも、比較してしまう度に、

いやいや、それがフィンランドの良さでしょーが。
フィンランドはそれでいい。
真似することなんかない。
フランスはフランス。フィンランドはフィンランド!
そこに惚れ込んだんでしょうが!

ってな感じで、比較した自分に喝ですよ…。
やっぱりどっかでまだ自信を持っていないのか、開き直りが足りない。
いろんな価値を持ち出してくる人と同じで、他と比較して価値の優劣をつけ
ちゃってるんですよ、私も。

でも、日本でケーキ屋さんのショーウィンドウを見ても特に食べたい!とか
魅力を感じたりはしませんが、フィンランドでショーウィンドウを眺めてる
と楽しくてしょうがない。どれもこれも食べてみたい。


こういう問答を懲りもせず繰り返しているので、もうフィンランドへの愛情
を確認する変態趣味みたいなもんですかね、これは。


Kiitos lukemisesta ja tervetuloa uudelleen.




24 2017

Näytteet サンプル


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忘れた頃に届いたサンプル。


2月に行った製菓製パンの見本市で話を聞いたり、アンケートに答えたついでに
お願いしたサンプルがここ最近になって届きだしたので、あ~そういえば…と思
い出し、忘れることなく無料で送ってもらえることに感謝です。

見本市に行っても、けっこう業界の仲間内で盛り上がっているような空気が流れ
ていて苦手なんですが、使えそうな商品やアイデアがないかを見たり、探したり
するのは楽しいので、ひとり地味に黙々と見て回ります。

仕入れ問屋でないと手に入りにくいもので、使ってみたい商品はサンプル依頼を
します。こういうイベントだと、まとめて気軽にお願いできるので。

今回は強力粉、サワー種、ジャムのサンプルをお願いしました。

強力粉は通常よりも灰分が多めで、うっすらと色がついている粉。この粉は以前
に試したことがあって、食事パンに使うと全粒粉ほどはクセがなく、白い強力粉
を100%使ったパンよりも風味が出るので、ぜひ使いたい粉です。ただ、菓子
パンには合わなかったというか、わざわざこの粉を使う理由がなかった。

サワー種はいまも悩みの種。フィンランドでは raski ラスキ と言ってるんですが、
ラスキがなくても合格点であろうライ麦パンのレシピを試行錯誤で完成させつつ
あるので、そのレシピでいこうか…どうしようかと。

やっぱり手間暇、管理の問題が大きいんですよね。店の規模や商品構成や製造の
面でそこまで自分で出来るのか?という問題。こだわる部分でもあるんですけど、
こだわりすぎて自分で自分の首を絞めかねない。これ以外にもやることは山ほど
あるのでね…。

そこで試しに、もう作ってくれているサワー種を使ったレシピを考えてみようと。
楽して合格点を取る作戦。

ジャムはなかなか理想のジャムが見つからず、これまた頭が痛い。
焼成用のジャムなんですけど、日本のジャムは大概ゆるめなんですよねぇ…。
もう少しかためでパン生地がふくらんでも留まってくれるジャムが欲しいのです。

で、日本にはラズベリージャムを取り扱っているメーカーが少ないのも困ります。
イチゴ、オレンジ、ブルーベリー、桃、リンゴはあってもラズベリーがなかなか。
フィンランドではイチゴかラズベリーかというぐらいの存在感なんですけどね。


フィンランドの製菓製パン材料を当然のごとく使っていたので、日本で作ること
になると壁が何枚もある。自分で作らないといけない材料もちょこちょこあって、
試作=実験という感じ。なんなら道具だって作っちゃうよ?という。

ないんですよ、とにかく、いろいろ。
フィンランドにはあっても日本には。


やることがいっぱいすぎて、頭が動きません。


Kiitos lukemisesta ja tervetuloa uudelleen.