フィンランドカフェ芬闘記

~小さなフィンランドカフェをひらくまで~


前回の設計がおじゃんになったうえに新しい設計が進まない中、年が明けました。
いったい何をやってたんだろうな…去年は…と溜息も出ます、さすがに。

ま、そんなことを言っても時間は戻ってこない。スッパリ切り替えていきます。

ここまでの流れは、設計士さんに提案してもらったラフプラン4つの中から私の
要望を一番取り入れやすいであろうプランを2つに絞ったあと、さらに少し描き
こんだプランを出してもらって、ようやくひとつのプランで進めていくことに。

ここまで辿り着くのに時間かかりすぎなんだよ…。私のせいではなくて。

プランを見ると、あれがいい、ここもいい、ここはだめ、あそこもちょっと…と
いうように比べれば比べるほど迷いが出てきます。かといって、良いとこ取りを
すればプランが成り立たなくなるので、良いとこが多いプランを選びました。
引っかかる部分は考えようによって違う見方もできるということで。

結局、最後に選んだプランは第一印象で決めたようなもの。図面をパッと見た時
にこれが一番良いんじゃないの?と感じて、詳しくプランを検討しても印象が良
いものは贔屓するのが人間の性…でなくて、やっぱり理にかなっているというか
ですね、無駄がない。

何か引っかかりを感じるものは詰めが甘い。

探せばそりゃ小さな不具合はあるんですけど、全体的に捉えるとすべてが上手く
納まるパズルが見えたような、スッと納得できる提案はケチをつけるより難しい。

わかりませんけど、設計をしている立場でも同じ感覚があるのかも知れません。
設計側でもどうだろな~と感じている部分があれば、施主も同じようにう~ん…
と感じて、設計者が納得できているプランはやっぱり施主も納得できる。

今度の設計士さんは、前回の知識と経験から出した私の事細かな要望リストには
苦笑しながらも、ほぼ取り入れたプランを提案してくださったので反抗すること
は滅多になく、そしてストレスもない (笑

では、このプランで進めていきましょうってことになった年末に出された宿題が
“厨房のレイアウト”。

「簡単なゾーニングでいいので、どうイメージしているかを教えてください。」

簡単…カンタン?簡単に考えるんですか?簡単にとおっしゃいますが…

めっちゃ詳しく考えちゃってんですけど!

つーか、自分で配置図を描いちゃったりして…。

箱の大きさは決まっているわけですし、使用する機器も決めているわけですし、
おのずと板金類のサイズも決まってくるわけで、作業工程やら使い勝手やらは
自分も知ってることなので、狭い空間にどう配置するかというパズルは自分で
考えられることで、詳しく考えて当たり前だと思うんですよね。

餅は餅屋というやり方もありますけど、自分自身のことは自分でも考えないと
餅屋の話も理解できないので、素人でも考えたことは伝えるようにしたい。

こういう性格がまた “めんどくさい施主” のレッテルになるんですよ、ええ。


詳しく配置を考え出すと、メニューや材料、使う機器や器具類、作業工程まで
細かくリストアップして把握しないとまったく決まらないと気付き、頭の中で
レシピや作業を思い出しながら書き出していくのに時間を費やして、そこから
配置のパズルを延々と繰り返し、ようやく無茶ではない配置になったかなと。

これに約1ヶ月かかってます。
人に仕事が遅いと文句を垂れる資格はないということで、反省。

簡単にとか言われたのに、またこんな配置図を送り付けるのかと想像すると…

想像しないことにします。


Kiitos lukemisesta ja tervetuloa uudelleen.





korva



フィンランドでは、毎年10月4日は Korvapuustipäivä シナモンロールの日 です。

あ、そういえば…と思い出したのがちょうど前日だったので、試作&練習がてらに
コルヴァプースティを焼いて食べる、というイベントをひとりでやりました。

これまでも山ほど試作とレシピの改善を繰り返してきましたが、いつもどこか何か
しら納得がいかない。この生地から他のプッラ (菓子パン) も作りたいのですが、
シナモンロールでは上手く出来るけど、違うプッラを作ると上手くいかない…

どれに対しても良い生地、レシピを延々考えてきましたが、そろそろ成果が見えて
きたか?というところまできました。あともうちょい。

目標はフィンランドらしいプッラです。材料の違いがあるので、まったく同じに作
ろうとしても無理ですし、フィンランドの作り方や味が全て良いとも思っていない
ので、そこは自分なりに変えてはいますけど、出来る限りフィンランドを尊重する
というのをモットーに。

なので、プッラも日本の菓子パンのようにふんわり・しっとりは目指しません!

フィンランドのパンに、ふわふわ・しっとりなんて表現、使ったことねぇ!
おおよそ事実。

でも、私はそれがフィンランドのパンで、それが好きで美味しいと思っているので、
そういう違いを消したくない。日本だから日本人に合わせたほうがウケると言われ
ることもありますけど、それは日本のパンです。ウケるというのはそそられる言葉
ですけども、なんとか抵抗したい。

このふんわり・しっとりに逆らうというのが、意外と作る上でも難しいんですね…。
出来上がるとふんわり・しっとりしちゃってんじゃん!ということが多くて。

なんでしょう?日本に戻って生活すると、日本の味や食感が当たり前になるので、
無意識のうちに感覚を日本に合わせてきたか?!という気がしないでもない。

これでいいんだ!これで!と耐えて、フィンランドを贔屓するのは大変です。


Kiitos lukemisesta ja tervetuloa uudelleen.





K500


毎週楽しみにしている新聞のコラムがあって、毎回面白い話なので切り抜いてせっせ
とスクラップしてます。

新聞を読み始めた10代から、フィンランド関連、興味のある記事、共感できた記事、
レシピ、実用記事、スポーツ記事、ひっかかったものはとりあえずなんでも切り抜く。
こういう、今日しか切り取れない情報が何十年先でも手元に残っているという満足感
と、あ~こんなことあったねぇと懐かしめるのが楽しい。

で、この日経新聞夕刊のプロムナードというコラム。
前回の担当だった、ドイツ文学者の中野京子さんの話も面白かった。その担当が総入
れ替えになってから、毎日目を通している中でまたお気に入りの担当が出現。

それが言語学者の黒田龍之助さんの回。
外国と外国語の話っていうことと、毎回読みやすい文章で楽しい内容なので切り抜い
てたんですけど、スクラップしていた今日、 “黒田龍之助 ” という名前にあれ…?と。
どっかで聞いたことある名前… とハッ と気がついた。

私の第二の師!!

名前なんかすっ飛ばして、コラムだけを楽しんでいたので気がつかなかった。
なんたる不覚…。

いや、別にお世話になったというわけでなくて、勝手に師としているだけです。
第一の師はフィンランド語を教えてもらった先生ですが、黒田龍之助さんは心の師。

フィンランド語を地味に独学していた頃に読んだ 『その他の外国語』 という本。
これを書いたのが黒田龍之助さん。

フィンランド語を日本で本気で勉強している人ならわかってもらえると思いますが、
とにかく勉強を継続する精神を維持するのが大変なんですよ… マイナー言語は。

羨ましがられることもないですしね。
褒められることもないですしね。
理解できたところで必要とされないですしね。
勉強する意味や目標も身近にないですしね。
孤独で地味な勉強時間ばっかりですしね。

ま、でも、そんなことを求めて勉強しているわけではないので、いじけるのは一瞬
なんですけど、その瞬間が定期的にやってくる時にこの本を読むと立ち直れた。

語学能力というか出来の良い人なら、あまり卑屈になったり自信を失くしたりする
ことなく乗り越えていくんだろうと思いますが、私は理解も遅くて納得しないと前
に進まず、不得手の多い出来の悪いタイプなので、しょっちゅう落ち込むわけです。

でも「あ~大丈夫。間違ってないから頑張ろう。」とこの本に励まされて、泣いた。
この本に支えてもらったと言っても過言ではない。

というわけで、少数派の語学学習者の理解者である黒田龍之助さんの話は楽しい。


Kiitos lukemisesta ja tervetuloa uudelleen.